製品概要 :


 ダコミチニブ(Dacomtib)は、米国ファイザー社が開発した新しい抗がん剤である。 上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン19の欠失変異またはエクソン21のL858R置換変異を有する局所進行性または転移性の非小細胞肺がん患者の1次治療薬として、単剤で承認された。
 ダコミチニブは第二世代のEGFR肺がん標的剤であり、イレッサなどの第一世代の標的剤よりもはるかに優れた効果を発揮している。 イレッサの無増悪生存期間の中央値は9.2カ月で、つまり、9.2カ月まで治療した時点で、肺がん患者さんの半数が薬剤に耐性を持ち、病状が進行し始めていた。 一方、ダコミチニブの無増悪生存期間の中央値は14.7カ月で、イレッサに比べて5カ月以上延長した。 また、中国の患者さんに対するダコミチニブの無増悪生存期間の中央値は18.4カ月まで達した。
 2018年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されたデータによると、EGFR感受性遺伝子突然変異を有する進行性肺がん患者が1次治療でダコミチニブが投与された場合、平均全生存期間は34.1カ月となり、すでに3年に近づいている。

効能・効果 :


 上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン19の欠失変異またはエクソン21のL858R置換変異を有する局所進行性または転移性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療に使用される。

用法・用量 :


推薦は、1日1回、1回45mgを経口投与する。